★★★
Precious
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● 由比のドライブスポット (ゆい)
富士山と駿河湾を望む、東海道の景勝峠。
昔は、東海道の難所のひとつでもあったらしい。
ほんとは漢字の表記で、「さっ」は「薩」だが、「た」は左半分が「土」で右半分が「垂」の文字。由比町の公式ホームページでは、ひらがな表記となっていたので、ここでもそうしておく。
旧清水市と旧由比町の境にあった峠だが、市町村合併により、どちらも静岡県清水区になってしまった。
まず、西の興津(おきつ)側からのアクセスを紹介する。
国道1号と国道52号との興津中町交差点から、国道52号を1キロ弱北上する。東名高速の手前の信号付き十字路で右折して東へ。興津大橋で興津川を渡った後、「止まれ」の標識のある十字路を左折。東名高速の下をくぐった後、右へ入る脇道には、小さな看板が出ていた。
そこから寂しい1車線道を入っていくのだが、それなりの景勝地のはずなのに、こんな道でいいのかなぁ、と不安になった。あとでわかったのだが、ここは裏ルートだったのだ。
道なりに1キロくらい進んでいくと、右への分岐道があり、その角に、中央に「さった峠」(漢字で)、右が「ごぼう坂 (遊歩道)」、左が「由比町」と書かれた看板があった。(追記:由比町は静岡市へ合併したので、変わっているかも?)
そこを右へ入っていくと、東名高速の「さったトンネル」の入口の上を横切り、すこし広くなったところへ出る。駐車場というわけではなく、あくまで駐車可能なスペースだ。このときは、東名高速の斜面の工事の車が数台と、壊れた車が2台捨ててあった。
私が車を止めた場所
そこから左手の方へ、コンクリート舗装の1車線幅の登り坂が延びている。車で入っていけないこともないが、狭いし、木の枝が垂れ下がってるし、すぐに行き止まりなので、車は下に置いて歩いていく方をおすすめする。
コンクリート道は徒歩1分くらいで終わり、そこから先は狭い山道を登っていく。けっこう急な坂道だが、木の板が敷かれていて、まあふつうの靴でも歩けるようにはなっている。歩きやすい道ではないが、観光用に最低限の整備はしている印象を受けた。
薄暗いみかん畑の中を登ってき、徒歩3〜4分で登り切ると、一気に視界が開ける。眼下に150度くらいに渡って駿河湾が広がっている。この景色の急展開は、ちょっと感動的だった。
そこの左右の道が、さった峠の遊歩道になる。海沿いのわりと高いところを走っていて、ずっと海を眺め降しながら歩くことができる道だ。出たところには、「牛房坂」と書かれた石碑とあずまやがあり、由比側起点まで0.46km、清水側起点まで0.48kmとあった。
ここからは富士山が見えないので、左右どちらかに歩いて行く。
左(北東)の由比側へ5分ほど遊歩道を歩くと、道の脇に1メートルほどの高さの木製の展望台がある。眼下の海沿いに東名高速と国道1号線がクロスしており、その先に海を越えて富士山が見えるという、よく写真で見かける景勝展望地だ。(右上写真)
べつに展望台に登らなくても、遊歩道自体からも十分に景色は見えるのだが、せっかくだから展望台に登ってみたいのが人情というもの。ところがこのときは台の上が満員だった。すこし待っていれば回転するだろうと思ったのだが、1分待っても2分待っても1人も降りてくる気配がない。私のほかにも下に数人いたのだが、あの人たちは子供の頃、公園のブランコやシーソーで、ほかに遊びたそうな子がいたら交代しさないとは教わらなかったのだろうか?
なお、この展望台は、東名高速を東京方面から走ってくると、由比パーキングエリアをすぎて「さったトンネル」へ入る手前で、正面のトンネル入口の上の方に見える。
遊歩道を反対方向の興津側へ歩いていくと、最初に遊歩道に出た場所から5分ほどのところにも展望場所がある。清水市指定眺望地点と書いてあった。
ここには展望台はないが、そんなものは不要だろう。ちょうど梅の花が咲いていて、梅越しの富士山を撮影している人が多かった。駿河湾とその対岸の伊豆半島の眺めもいい。(左写真)
遊歩道は、ここまではほとんど水平なのだが、そこから先は、下の方へかなり急に下って行っていた。興津側から登ってくるのはたいへんかも?
天気のいい休日だったせいか、遊歩道を歩いている人は多かったが、大半は私より年上らしく見えた。どうも年長者に人気のあるところのようだ。
さて、車まで戻り、もと来た1車線道を、先へと進んでみた。分岐した角に「由比町」とあった方だ。山の中の谷間を登っていく道は、ぎりぎり1車線幅でガードレールのないところもあり、かなり慎重に走らざるをえない道だ。
けっこう急な上り坂が下り坂に変わると、その先に狭い十字路がある。この交差点は狭いし、坂だし、ハイキングで休憩の人が座り込んでいたりするので、切り返しやバック時に要注意。
そこを右に入ると、さった峠ハイキングコースの駐車場で、ここへ車を置くのが、メインルートらしい。トイレと、みかんを1袋100円で売っている簡単な出店が2つあった(季節によると思う)。
ここは十数台分くらいしかなく、満車のときは、狭い十字路から来た道の方へ少し戻って、道幅が広くなっているところに止めるのも1つの手。急坂の途中だが、車止めに使えるような石がいくつか転がっているのは、先人の賜物だろう。
この駐車場から、前に書いた景勝の展望台まで、遊歩道を歩いて2〜3分。
さらに車で北東の由比駅方面の道へ進むと、そこから先は、みかん畑の中の狭い1車線道をずっと降りていく。雰囲気的に、ほとんど農道だ。
対向車とすれちがえる場所がかなり限られている狭い道なのだが、このときは対向車がけっこうあった。
1車線幅の坂道を、何十メートルもバックで登らなければなければならないこともあった。
かろうじてすれちがえる場所でもぎりぎりで、対向車とのすきまが1〜2センチというときもあった。自分としては、もっと広いところまで下がりたくても、後続車がつかえているので下がれない。幸い、対向車のドライバーがベテランの様子で、その奥さんが車から降りて誘導してくれたから、なんとかなったけど。
それに、駅からのハイキングなのか、歩いている人がけっこういて、道幅が狭いものだから、追い越すときやすれちがうときに、道の端に立ち止まって車をよけてもらわなければならないことが多い。走りながら、頭下げっぱなしという感じだった。
こんな道だと知っていれば来なかったし、私は二度とこの道を走るつもりはありません。この間、1キロ強を進むのに約13分かかった。(歩くのとたいして変わらない)
ようやく畑の中の坂道を抜けると、家並みの間の道に移る。ここで道なりに走っていたのが失敗かもしれなくて、あとで地図をよく見ると、右手前に戻る形で国道1号に出られたようだ(未確認)。
このときは道なりに進んでいくと、海と山に挟まれた旧街道という感じの道で、ここも狭い1.5〜1車線幅がつづく。みかん畑の区間よりはましだが、あまり走りたくない道だ。しかも、その道がえんえんとつづいて、なかなか国道に出られない。
こういう道は、車で走るより、歩いた方が味わいがありそうだった。地図で約1.5キロ。
ようやく2車線幅の県道に出たところは、地図で見ると由比駅のすぐ手前(南西)。その角の入口には「旧東海道」と書いてあったと思う。
そこを右へ出てすこし行くと、ようやく国道1号との交差点に出た。ホッとするも、信号待ちが長い…
国道1号へ出ると、片側2車線の高速道路のような作りの道で、一転してハイスピードウェイ。右車線では、80出していても後ろからあおられる。
由比町の公式サイトの観光案内のページには、「峠近くに駐車場もあり、車でいっきに登ることもできます
」とあり、たしかにあのハイキングコース駐車場まで車で登れば、歩くのはほぼ水平の区間だけでいい。
だけど、特に天気のいい休日に、由比側から入って、あの狭い農道を車で走るのは、私としてはおすすめできないので、冒頭に書いた興津側から入って、裏側から登るルートの方をおすすめしておく。
ハイキングコース駐車場まで車で行くとしても、興津側から行った方が、対向車が少ない分、いいと思う。峠の区間は狭いし、けっこう坂が急だし、ちょっとおっかない道だけれども。
おすすめ度 :★★★★★ (見事な景勝)
人気度 :★★★★☆ (海沿いの遊歩道は人が多かった)
行った日時 :2002年2月11日(月・祝) 11時頃、 2003年1月12日(日) 12時頃
→道の景色のページ
さった峠については、東海道ルネッサンスのサイトの、さった峠のページが詳しい。
東名高速の海沿いのパーキングエリア。
下り方向は、まさに海に面したパーキングエリア。
敷地の幅が狭いためか、駐車スペースが縦列駐車の形になっているのが、ふつうのパーキングエリアと違うところ。かなり長細いが、どこに止めてもすぐに海に面していて、駿河湾を望める。
来た方向には、駿河湾越しの富士山を望める。(右写真)
施設はトイレのみだが、ここは海と富士山を眺めるためのパーキングエリアだ。それ以外の目的なら、ほかのSA・PAを利用すべき。
(2007年7月追記:飲料自販機が設置されていた。道路上の施設表示は「P」だけのままだったけど。)
上り方向は内陸側になるので、海に面してはいないが、それでも海と富士山を望むことができる。売店の建物の屋上が展望所になっている。
このときは、ちょうど夕暮れ時で、赤く染まった富士山を見ることができた。(左写真)
ここの駐車場は、小型車用がちょっとあった後、大型車用が並んでいる。その先にもう1回、小型車用があるのだが、わかりにくいので、大型車スペースに止めてしまっている小型車が多数。(人のことは言えないのだが)
駐車場の案内を充実させるか、いっそのこと小型車専用にしてしまった方がいいと思うけどなぁ…
おすすめ度 :★★★★☆
人気度 :★★★☆☆
行った日時 :2003年1月12日(日) 11時・17時頃
→道の景色のページ