★★★ Precious Road ドライブ旅行記 > 都道府県別 > 兵庫 > ● 加西のドライブスポット (かさい)玉丘史跡公園根日女(ねひめ)ロマンの郷、というサブタイトルがある。 東の県道716号玉野倉谷線から西へ入る玉野南十字路には、案内標識があった。公園の駐車場前にも、道路上に案内標識があり、場所はわかりやすいだろう。 園内を時計回りに一周した。 トイレの男女の表示が、古代人の姿になっているのは、ありがちだが凝っている。車椅子のマークは現代風で、工夫が足りないが。 「エサをあたえないでください」「ボクの名前は草次郎です」と表示した小屋があったが、ボクっていうのが誰なのかわからず。 壇塔山古墳は、完全に森になっていて、全景がよくわからないし、立ち入ることもできない状態。(右写真) ガイダンス施設という建物が、なぜか入口近くではなく、奥の方にある。無人で受付もなく、薄暗かったが、壁のスイッチを押してみると、照明が点いた。それなら、自分で点灯・消灯してください、と案内表示があってもよさそうなものだが。一室にパネルが数点の簡単な展示だが、玉丘古墳群の全景や、玉丘古墳が造られた当時の想像図などがあり、要点はおさえた感じ。根日女のロマンについての説明がなかったのは残念だが。 クワンス塚古墳は、半分だけ水を張った周濠がある円墳。説明板があるのだが、クワンスというカタカナ名の由来は書いてない。 その右の遊歩道沿いに、埴輪らしきものが並んでいたが、アニメ・キャラクター風とか、子どもが遊んで作った感じ。(右写真) 最後に、主役の玉丘古墳がある。全長109メートルの前方後円墳。水を張った周濠で囲まれているが、東端の1か所だけ陸続きになっていて、中へ入って、上へ登ることができる。全体が森になっていて、展望などはないが、後円部には、お供え物がいろいろ置いてあった。できた当時は、埴輪が並んでいたらしいが、今は見るかげもない。(右下写真) 周囲を一周でき、東側に大正15年の石碑があるが、昔の言葉で書かれていて難解。平成2年の説明板もあるが、右半分は昔の文章と、その直訳で、やはり難解。左半分は、学術的な説明だけ。結局、根日女のロマンのストーリーについては、予習して行かないとよくわからないというのは、致命的な欠点ではないだろうか。 履中天皇の孫にあたる意奚(おけ)と袁奚(をけ)の兄弟は、皇位継承争いにより、父を殺されてしまった。身の危険が迫った2人は、名前を変え、身分を隠して、この播磨の国に住んでいた。そこで2人とも、地方豪族の娘・根日女に恋をした。たいへん仲がよかった兄弟は、互いに譲り合ってしまい、どちらとも結婚しないでいるまま、根日女は亡くなってしまった。2人の兄弟は、大いに悲しみ、朝日も夕日もあたる丘に、玉で飾った墓を作らせた。それがこの玉丘古墳という話だ。 つまり、この2人は、コードギアスのルルーシュとナナリーのように、皇位継承権を持ちながら、王家の庇護を受けることもできずに、兄弟2人だけで助け合い、生きていかなければならなかった。だからこそ、互いに自分よりも相手を優先しあうほど、仲がよかったのだろう。 国指定史跡。 おすすめ度 :★★★★☆ 加西市のサイトより、玉丘史跡公園のページ (別ウィンドウに開く) |