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● 加西のドライブスポット (かさい)

観光施設公園 玉丘史跡公園玉丘史跡公園 愛染古墳

 根日女(ねひめ)ロマンの郷、というサブタイトルがある。

 東の県道716号玉野倉谷線から西へ入る玉野南十字路には、案内標識があった。公園の駐車場前にも、道路上に案内標識があり、場所はわかりやすいだろう。
 北の県道24号多可北条線玉丘T字路から南下した場合は、200メートルくらい手前に、まぎらわしい案内標識があったので注意。たしかにその脇道で玉丘古墳へ行けるが、そこに駐車場はない。車道上の標識というのは、駐車場の場所へ案内するべきで、歩行者用とは区別するべきだと思うが。
 駐車場は、なぜか区画に番号が振ってあって、普通車用は43番まで。
 入園・駐車場とも無料。

 園内を時計回りに一周した。
 入口近くに、愛染古墳という、きれいな円墳がある。直径18メートルで、移築復元と書いてあったので、どうりできれいなわけだ。横穴式石室の中に、家形石棺があるが、中に入ることはできない。チェーン柵で囲まれていて、移築復元のくせに登ることはできないが、一周はできる。(右上写真)

玉丘史跡公園 壇塔山古墳 トイレの男女の表示が、古代人の姿になっているのは、ありがちだが凝っている。車椅子のマークは現代風で、工夫が足りないが。
 その屋上が展望所になっている。周囲の公園を見渡せるくらいだが、そういう場所を設けているのはいい。
 隣リの湿地観察園には、木道が渡っていて、白い花がすこし咲いていたが、季節によってはもっときれいになるのかも?

 「エサをあたえないでください」「ボクの名前は草次郎です」と表示した小屋があったが、ボクっていうのが誰なのかわからず。
 あとで調べると、ヤギらしいが、おでかけ中だったのか?

 壇塔山古墳は、完全に森になっていて、全景がよくわからないし、立ち入ることもできない状態。(右写真)

 ガイダンス施設という建物が、なぜか入口近くではなく、奥の方にある。無人で受付もなく、薄暗かったが、壁のスイッチを押してみると、照明が点いた。それなら、自分で点灯・消灯してください、と案内表示があってもよさそうなものだが。一室にパネルが数点の簡単な展示だが、玉丘古墳群の全景や、玉丘古墳が造られた当時の想像図などがあり、要点はおさえた感じ。根日女のロマンについての説明がなかったのは残念だが。
 トイレと同じように、屋上が展望所になっている。

玉丘史跡公園 埴輪列 クワンス塚古墳は、半分だけ水を張った周濠がある円墳。説明板があるのだが、クワンスというカタカナ名の由来は書いてない。

 その右の遊歩道沿いに、埴輪らしきものが並んでいたが、アニメ・キャラクター風とか、子どもが遊んで作った感じ。(右写真)
 最後の方だけ、大人が作った風の人物埴輪家形埴輪があったが、複製という表示。

 最後に、主役の玉丘古墳がある。全長109メートルの前方後円墳。水を張った周濠で囲まれているが、東端の1か所だけ陸続きになっていて、中へ入って、上へ登ることができる。全体が森になっていて、展望などはないが、後円部には、お供え物がいろいろ置いてあった。できた当時は、埴輪が並んでいたらしいが、今は見るかげもない。(右下写真)

 周囲を一周でき、東側に大正15年の石碑があるが、昔の言葉で書かれていて難解。平成2年の説明板もあるが、右半分は昔の文章と、その直訳で、やはり難解。左半分は、学術的な説明だけ。結局、根日女のロマンのストーリーについては、予習して行かないとよくわからないというのは、致命的な欠点ではないだろうか。

 履中天皇の孫にあたる意奚(おけ)と袁奚(をけ)の兄弟は、皇位継承争いにより、父を殺されてしまった。身の危険が迫った2人は、名前を変え、身分を隠して、この播磨の国に住んでいた。そこで2人とも、地方豪族の娘・根日女に恋をした。たいへん仲がよかった兄弟は、互いに譲り合ってしまい、どちらとも結婚しないでいるまま、根日女は亡くなってしまった。2人の兄弟は、大いに悲しみ、朝日も夕日もあたる丘に、玉で飾った墓を作らせた。それがこの玉丘古墳という話だ。
 兄弟は、機があって都に返り咲き、どちらも天皇に即位したが、その順をめぐっても譲り合ったらしい。玉丘史跡公園 玉丘古墳

 つまり、この2人は、コードギアスのルルーシュとナナリーのように、皇位継承権を持ちながら、王家の庇護を受けることもできずに、兄弟2人だけで助け合い、生きていかなければならなかった。だからこそ、互いに自分よりも相手を優先しあうほど、仲がよかったのだろう。
 古墳時代の、コードギアス・反逆の意奚と袁奚とでもいうべきストーリーである。

 国指定史跡。

おすすめ度 :★★★★
人気度    :
★★☆☆☆
行った日時 :2009年5月1日(金) 16時頃

Webリンク 加西市のサイトより、玉丘史跡公園のページ (別ウィンドウに開く)

 

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